剣山スーパー林道を再び走ってみた その1
社会人が自由な時間を得るには、多少の覚悟が要る。僕は10月24日午前3時過ぎに起床し、出発の準備を始めた。 仕事を終えて帰宅したのは同日午前1時、就寝は同じく2時。寝てないといっても過言ではない。眠い目をこすりながら服を着替え、 飼い猫に餌と水を多めに与える。タイマーで皿のふたが開く仕掛けになっている自動給餌器をセット。 実家の家族が様子を見に来る明日までは大丈夫なはずだ。僕と一緒に目を覚ました猫が、カリカリと音を立てて餌を食べている。 突然餌をもらえたのが嬉しそうだ。「大人しく待ってるんだぞ」と言い残し自宅を出る僕を、猫は舌なめずりしながら見送ってくれた。
午前5時ごろ、岡山駅に到着。まだ人の行き来がほとんどない駅の西口で、愛車の豪腕号(JAMIS Dakar XC compの2005年モデル)を解体し、輪行袋に詰めた。特急券を購入するため西口窓口に行くが、閉鎖されていた。この時間、 自動券売機も動いていない。新駅舎の中央窓口しかないらしい。階上に出来た新駅舎へ行くには階段しかなかった。現段階では、 道路を挟んだリットシティビルまで行かねば、エスカレーターもエレベーターもない。 重い荷物を持った人や足の不自由な人は遠回りしろというのか。ふざけた話だ。やむなく階段を上がる。輪行袋の肩ひもが食い込んで痛い。 誰もいない改札を通過し、5時半発の高松行きマリンライナーに乗車した。
列車内では、ずっとうとうととしていた。1時間余で高松駅に到着し、特急うずしおに乗り換えた。 同じく1時間10分ほどで徳島駅に到着。その間、やっぱり寝ていた。眠い。通勤時間帯で慌しい駅を出て、 邪魔にならない場所で自転車を組み立てた。近くで某政党の若手が街頭演説をしていた。来年夏の参院選に出馬するらしい。頑張れよ、 僕もこれから頑張るとこだ。
自転車にまたがり、徳島駅を出発。国道55号を南下し、勝浦川を目指した。南からの風が強く、思うような速度が出ない。 つらい旅の予感。途中、コンビニでミネラルウオーターを購入。ボトルケージのペットボトルに詰め替えた。しばらく走り続けると、 勝浦大橋に出た。そこで右折。川沿いの道を遡っていく。
川上に目を向ければ、見上げるほどの山並みが広がる。「剣山へ行くのだ」という実感がわいてきた。ただ、 空が鈍い灰色の雲に覆われているのが気になる。何度か坂を登り上勝町に到着。以前、テレビで見たのだが、上勝町は「彩り」 の町として知られるそうだ。料亭などで料理の飾りに使う木の葉などのつまもの、すなわち「彩り」の販売が町の重要な産業になっているという。 そして、その「彩り」の収穫を支えているのが地元の高齢者なのだそうだ。新たな産業の開発と高齢者の生きがい対策、一石二鳥というわけだ。
そんなことを思い出しながら、正木ダム沿いの坂道で登っていると、頬にぽつりぽつりと雨のしずくが落ち始めた。ダム湖畔にある 「一休茶屋」前で一休み。

細かい雨が道路を濡らす。さて、どうしたものか。
続く!
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